2024年8月の記事一覧
【校長室通信】憧れの蝉?(8/5)
みなさま、こんにちは。
8月に入り、身体に堪えるほどの猛暑が続いていますが、お身体には十分にお気をつけてお過ごしください。
それにしても、この猛暑…すごいとしか言いようのない気温が続いています。猛暑の原因には、いろいろな説があり、(中には「地球温暖化はまぼろしである!」とまで言い切る学者もいるので…。)真実は分からないのですが、私はやはり二酸化炭素をはじめとする炭酸ガスの濃度上昇による地球温暖化だと思います。
日本における平均気温の上昇傾向は、気象データでも疑いようのない事実ですが、専門家でもない私が「環境が変わってきたな…。」と実感するのは、主に私たちの周囲に生息する昆虫をはじめとする生物の変化によるものです。
カメムシの著しい増加、本来なら南方に生息しているシイラやカジキマグロの日本海への進出、ヤマビルの出現域の拡大(ヤマビルはマイナス5度以下になると死んでしまうのですが、冬季、そこまで気温が下がらなくなったために越冬している個体が多いため増加しているという説があります。)等々、いろいろなところで温暖化を実感するのですが、私にとって特に印象深いのはクマゼミです。
クマゼミは日本に生息する最大の蝉で、かつては小豆島が北限地(生物の分布範囲の北の限界)でした。小豆島は「クマゼミがいる島」としてPRを行い、観光資源として活用しようとする動きもあったほどです。
小学生の頃、私もいわゆる「昆虫少年」でした。夏休みには、たも網を持ってカブトムシやクワガタムシ、セミやトンボを追いかけ、一日中野山を駆けまわっていたものです。そんな私にとってクマゼミは憧れのセミでした。その黒いボディとアブラゼミとは違ってきれいな透明な羽、何といっても日本最大の大きさをもつクマゼミをいつか実際に見てみたい!この手に捕まえてみたい!そう願っていました。しかし、小豆島や四国・九州に行かなければ生息していないクマゼミは私にとって幻のセミだったのです。
ところが、そのクマゼミ、令和の今では山崎町にいくらでもいます。そう、朝早くから「シュワシュワシュワ…」と暑さをあおり立てるようにうるさく鳴いているあのセミがクマゼミなのです。今ではアブラゼミやニイニイゼミよりもたくさん見かけますね。(因みにやはり一宮町・波賀町・千種町にはまだいません。全国的に見るとかつては三浦半島付近までしかいなかったようですが、現在では茨城県北部まで生息域を広げているようです。)
この一時からも分かるとおり、私たちの地域においても環境は急激に変化してきています。これが望ましい変化であれば大歓迎なのですが、どうもそうではないことの方が多いようです。
地球全体の温暖化を止めるために、そして環境の悪化を阻止するために私もできることから取り組んでいこう…クマゼミの鳴き声を聞くたびにそう考える今年の夏です。